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なぜ、会計事務所は顧客を減らしているのか?

ニュース 更新:2005.01.27(木)

いよいよ確定申告のシーズンが近づいてきました。多くの事務所では最大の繁忙期となりますが、準備のほうは順調に進んでいますでしょうか。

かつては確定申告にあまり積極的でない事務所もありましたが、ここ数年は経営環境の厳しさを反映してか、そうした余裕のある事務所(?)は少なくなってきたようです。むしろ、従前より確定申告業務の受注に積極的な事務所が増えてきたように思われます。

これまでのように事業者や不動産所得者に限らず、還付申告まで積極的に受注している事務所もあります。中には住宅ローン控除1万円、医療費控除6千円など、具体的な金額を明示している事務所も見られます。

こうした変化の背景には、確定申告を確実な収入源にしようとする、あるいはせざるを得ない会計事務所側の事情があります。顧問先の倒産・廃業、あるいは解約によって多くの事務所が顧客数を減らしています。また、新規拡大に積極的な事務所でも「100件拡大しても純増は20件」といった話まであります。それほど顧客の減少が大きいわけです。

事業者の倒産・廃業件数はここ数年さほど大きな変化はありません。ということは、多くの事務所では顧客の「移動」によって数を減らしているということになります。

この「移動」の中で最も多いのが、職員が担当先をもって退職するケースです。資格を取って独立する職員もいますが、中には前の事務所の顧客を別の事務所に持ち込み、従来よりよい待遇で転職するといった例も見られます。こうしたケースではその職員やこれを受け入れた事務所のモラルが問われる面もありますが、いずれにしても顧客はその職員についていったという事実は認めざるを得ません。

当事者の所長にしてみれば「顧客を持ち逃げされた」という思いが強いでしょうが、こうした事態にいたった背景にはCS(顧客満足)とES(社員満足)の問題があります。サービス業では顧客満足と社員満足はウラオモテの関係にあります。つまり、この両方を実現しなくてはならないわけです。厳しい言い方をすれば、顧客を持ち逃げされる事務所では顧客満足と社員満足の両面に問題があったといえます。

もちろん、紛議の調停などにかければ利益は守れるかもしれません。しかし、これでは事務所に内在する問題は何ら解決しません。

会計事務所業界は今、大きなターニングポイントを迎えていますが、その本質はサービス業になりきれるかどうかということかもしれません。サービス業になるためには、顧客満足と社員満足という2つの課題を避けて通ることはできません。

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