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WBCイチローの発言にみる真のプロフェッショナル論

ニュース 更新:2006.03.24(金)

ヤンキースの松井やホワイトソックスの井口などメジャーリーガーが相次いで出場辞退をしたWBC。その中で初めから、出場に対して強い意識を打ち出していたのが、イチローだった。そして最後の最後に物凄いチームの一体性を引き出したのも、イチローの言動だったことが大きくクローズアップされている。

日頃、クールでどちらかといえば個人主義と思われがちだったイチローがこの大会に関しては、非常に強い言動を繰り返してきた。最初に選手が集合した段階では、「王監督に恥じを欠かすわけにはいかない」と言い、一次リーグ前には「相手が30年間立ち向かって来れないような勝ち方をしたい」とまで言った。この言葉で韓国チームがイチローに対して、異常なまでの敵意を剥き出しにし、それが結局は日本が2連敗してしまう遠因にもなっている。

そしてその韓国に2連敗した時には、「野球人生で最大の屈辱」といい、準決勝の前には、「日本が同じチームに3連敗することは許されない」とも言っている。そうした強い発言を繰り返していた今大会の中でも最も彼のプロフェッショナル意識を感じさせたのが、優勝後のシャンパンファイトの中でのインタビューでの言葉だった。

「子供の時のように野球を楽しむことができ、そして、その中でプロとしての責任、使命を果たすことができた」。子供の時のように楽しむ。これは初心を忘れず、仕事にあたるということであり、そしてその中でプロとしての責務と役割を理解し、それを果たす。それこそが、本当のプロフェッショナルなのだとこの言葉を聞きながら、強く意識させられた。

振り返ってみれば、イチローは今回、強い言葉を発しつづけたのも、自らも含めて、チームに強いプレッシャーをかけることで、そのプレッシャーの中で野球(試合)を楽しむこと、そして、プロとしての強い心構えをチームに伝えたかったのではないかと思う。そして、最後にそのことが全員が同じ方向に向かったことで世界一を掴み取ることができたのだと思う。

そのことをもう一人のプロフェッショナルが別の見方で言っているのも興味深い。サッカーのカズこと三浦和良選手だ。「超一流の選手たちが、真剣に1回から9回までやった集中力は芸術。 スポーツを超えた芸術だよ」。プロフェッショナルの一つの定義に相手に感動を与えることだというのがある。カズがいう芸術とはそうした感動を別の表現で言いたかったのだろう。まさにプロがプロを語る言葉である。

自らに強い負荷をかけ、さらにそれを乗り越え、楽しむ強さまで見せてくれたのが、今回のWBCにおけるイチローであり、それを全員が共有したチームだった。それは、まさに芸術とも呼べるほどのプロフェッショナル意識だったのではないだろうか。そのことをプロである人間は、強く学ぶ必要があるように思える。

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